ボヘミアンガラス [伊豆のミニ・ミュージアム]
伊豆高原では、別荘の建ち並ぶなかにポツンと小さな美術館があったりします。
海洋公園からの帰り、通ったことのない道を走っていると、こんな美術館に出くわしました。
1900年のパリ万博でグランプリを受賞したレッツ工房の作品を中心に、母国チェコでも見られないほど貴重なアールヌーヴォーの名作が展示されています。
レッツ工房は、当時、ガレやドーム、ティファニーなどと肩を並べるほどの工房だったらしいですが、アールヌーヴォーの終焉とともに衰退し、1947年に消滅したということです。
▲この2点は、「コバルト・パピヨン」装飾と呼ばれるものだそうです。
レッツ工房が得意としたのは、この2点のように、蒸着や圧着などの手作業と化学反応を複雑に組み合わせて玉虫色の繊細な紋様を作り出す技法だそうです。
虹彩ガラスと呼ばれるもののうちでも、他の工房には出せない幻想的な色合いで一世を風靡しましたが、時代の流れに乗り損ねたということでしょうか。
▲「クレタ・パピヨン」装飾のチューリップ花器
スタンドは銅製で、取り外せます。
<つづく>